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色々と終わってるアラサー男が迷走するブログ

【ジョジョ】真実に向かおうとする意思を考える

 

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出展 荒木飛呂彦 ジョジョの奇妙な冒険 59巻 集英社

 

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」の中で、元は警官でありながらギャングに身を落としたレオーネ・アバッキオに向けられた「真実に向かおうとする意志」という言葉。

 今回はこの言葉を自分なりに噛み砕いて解釈したことを書いていこうと思います。

 

アバッキオという男の生き様

 アバッキオは元々は正義感の強い青年で、人々を守る為にイタリアで警察官として勤務していました。

 ですが警察内では犯罪者からの賄賂や不正が横行し、苦労して逮捕した犯罪者は法の目を掻い潜りあっさり釈放されてしまう現実、守るべき市民からは罵声を浴びせられ、どれだけ実直に生きようとも報われない日々にアバッキオの心は擦り切れ、自らも賄賂を受け取って犯罪者を見逃す不良警官となってしまっていたのですが、見逃した悪党が起こした事件によってアバッキオは同僚を死なせてしまい、自身も賄賂を受け取っていたことがバレて警察を追われることになってしまいました。

 やがてアバッキオは「強大な力に従っている方が心地いい」と、警察の天敵だったギャング組織「パッショーネ」の一員となり、自分を拾ってくれた恩人であるブローノ・ブチャラティが組織を裏切ったときもブチャラティに従い、パッショーネの「ボス」の正体を突き止めるべく奔走します。

 そんな道中で、アバッキオはカフェで何かを探している警官と出会いました。

 事件の手がかりである犯人の指紋採取の為、割れたガラス瓶を一つずつ採取する警官の姿に、かって使命に燃えながらも報われなかった自分の過去を重ねたのか、「指紋が取れなかったり、犯人がずる賢い弁護士を雇って無罪になるかもしれないのに、なぜそんな苦労をしようとするのか」と問いただしますが、それに対して警官は

「私は結果だけを追い求めてはいない。結果だけを追い求めると、人は近道をしようとして真実を見失い、やる気も失せていく」

「大切なのは「真実に向かおうとする意志」だと思っている。向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は犯人が逃げたとしても、いつかはたどり着くだろう?」

 と毅然と答え、擦り切れていたアバッキオの心に、確かな変化をもたらしたのでした。

 

真実に向かおうとする意志が示すもの

結果を得る為の過程は地道で苦しい

「私は結果だけを求めていない」と警官は言っていますが、この話は過程と結果のどちらが大事かという話ではなく、結果に繋がる道筋として、地道で苦しい過程をすっ飛ばすことはできないということを示しているのだと僕は感じます。

 例えば収入が少なくて苦しんでいる人が「どうにかしてお金が欲しい!」と考えてお金を稼ぐ方法を探すと、今ならネットで色々な方法が見つかりますし、それで成功している人達を見ると物凄く惹かれてしまいます。

 

 ですが、成功している人達って余程才能がある人以外は最初から上手く行ってたんじゃなくて、初めの方は正しいやり方も分からず思うように成果も出せず泥沼に嵌ったような状態で苦しみながら、苦行みたいな日々の中で少しずつ成果を積み重ねて、試行錯誤しながら今の場所を得ることができたんじゃないかと思うんですよね。

 

 そういう過程に目を向けず、ただただ成功してお金を手に入れたい! という執念ばかりが強すぎると、いざ始めても行動に対する結果が伴わない日々にストレスばかりが溜まってしまい、早々に挫折してしまいます。

 そしてそういうときに「この方法を使えば〇万円!」なんて商材を見つけてしまうと「この状況をひっくり返せる!」なんて藁をもすがる気持ちで飛びついてしまいがちですが、そういう商材は買っただけでスキルが身につくのではなく、商材で得た知識を元に試行錯誤をして行動を重ねなければお金には繋がりません。

 

結果が出るまでは長い時間がかかる。

 僕も低収入で苦しんでいたときはお金を稼ぐ方法を求めて色々な商材に手を出しましたが、いずれもひたすら「成功してお金が欲しい!」という結果ばかりをがめつく求めて「すぐに成功したい!」という欲ばかりが強くなっていた為に、過程の段階を積み重ねることが全くできていませんでした。

 そして「なんで全然成果出ないんだよ!」とすぐにふて腐れて投げ出してしまったことが多々あります。

 まさに、結果ばかりを求めて真実を見失い、近道をしようとしてはやる気を失っていくという言葉通りになってしまっていたのです。

 

 お金儲けに限らず、僕はなんとか自分の無能ぶりを改善したいと色々な方法に手を出してみましたが、すぐに結果を得られないことが苦しくなり、いつも早々に挫折してしまっていました。

 

 一つだけ、3年くらいかけて取り組み続けていることがありますが、それも独力でやっていた最初の1年くらいは本当にダメダメで「なんでこれだけやったのに成果が出ないんだ!」と苦しんでいました。

 その後教えてくれる人に出会えて正しいやり方を学ぶと自分のやっていたことが間違いだらけだったことに気付き、正しいやり方を教えてもらって少しずつコツを掴めるようになり、苦行だと思っていたことが少しずつ楽に感じるようになりました。

 それでもようやくスタートラインに立てたという状態で、ここから成果を出すにはまた長い試行錯誤の道が待っているでしょう。

 メンターになってくれたその人は「僕も成果が出るまで2年くらいかかったから諦めたら駄目ですよ」と教えてくれましたが、恐らく僕よりもずっと行動量も試行錯誤の量も多い人ですら手応えを得られるまでは年単位の時間を擁しているので、僕のように無能で飽きっぽいダメ人間が成果を得ようとしたら年単位のスパンは覚悟して粘らないといけないのかもしれないと感じています。

 

 

苦行な道のりでもふて腐れてはいけない 

 真実に向かおうとする意志を説いた警官が苦行とも言える地道な捜査を続けていたのも、どれだけ時間がかかる苦しい道であったとしても、自分の行いが犯人という真実、そしてイタリアが少しでも良くなるという結果に繋がると、自分の行動に警官として覚悟と信念を持って行動が出来ていたからでしょう。

 

 自分が得することを求めた結果、全てを失い後悔に苛まれる日々を送っていた過去のアバッキオとは対照的な生き方です。

 

 自分が目指す結果の前には常に退屈で苦しい過程があると考え、今は全くできていなかったとしてもいずれは求めた結果に辿り着いてみせると思いながら、ふて腐れずにもがき続ける意思が重要だと思います。