休日の三時ごろになると、翌日の仕事のことを考えて気分が暗くなります
「また動きがノロいと馬鹿にされるのか……」「また頓珍漢なことをしてしまって怒られるのか……」「また「本当にバカだな」と呆れられ馬鹿にされるのか……」そんな不安がずっと頭を過っています。
・そもそもこの仕事が絶望的に向いていない
昔から僕は、本当に何をやるにしてもノロマで要領が悪いんですよね
学校の課題でも仕事でも、自分以外の人は休憩してても余裕で終わるような仕事でさえ、自分がやると休まないでやっても終わらないなんてことはザラで、あまりの要領の悪さに死んだ父親でさえ本気で怒ることも少なくなかったです
そんな僕にとっては、今の仕事……住宅基礎屋なんですが、これは全くもって向いていない仕事です。
スコップを持って土を掘るのが遅いし、材料を運ぶのが遅いし、釘を打つのも人の倍かかる。
材料の寸法が気になって加工する前に無駄に時間をかけてチェックしても、いざやってみたら全然寸法が違う。
例を挙げたらキリがないんですが、そもそも高校を卒業した後五年くらい働いていた建設会社でも仕事はまるで上達せず周りから「マジで使えねー」って蔑まれる日々だったので、根本的に身体を動かして物作りをするということが向いていないのでしょう。
それなのにコロナ禍で派遣の仕事がなくなりつつあったからと言って「兄さんが会社立ち上げるらしいからそこで働かせてもらったら?」と家族に勧められて「やっぱり経験のある建設業で働くしかないのかな」と今の会社に入ってしまったのは軽率としか言いようがありませんでした。
過去五年働いてなんの技術も身につけられなかった時点で気づくべきだったのです、僕は建設業に絶望的に向いてないんだからまた建設業やるのだけは止めておくべきだったんだと
毎日のように「こんなこともできないのか」「頭おかしいんじゃないのか」と怒鳴られたまに蹴っ飛ばされ殴られ、怒られないようにしようとすると余計に動きがおかしくなってまた怒られる……そんなことの繰り返しで正直仕事をするのが辛いです。
できることなら明日にでも辞めたいと考えてしまっているのですが……中々そうもいきません……。
・辞めてしまえばお先真っ暗?
ただそれでも、会社を実際に辞めるのは非常に難しいです。
今の仕事に就く以前も
建設会社(五年)→工場(一年半)→建設会社(一年)→フリーター・派遣社員(三年くらい)
と、仕事を転々としていたのですが、最初の会社は前述の通り、次に入った工場でもミスばかりで使えない奴扱い、怒鳴られ殴られの日々に耐えられず退職、そしてまた建設業に戻って現場監督になりましたが、そこでもコミュ障過ぎて全く仕事ができずにクビ同然で退職と、正社員ではどこに行っても使えない奴呼ばわりでした。
フリーターや派遣の仕事はまだマシだったとは思いますが、それは正社員じゃないからそこまで責任が重くなく、他の人が入れないときのシフトや残業が必要な時はなるべくやるようにしていたから人手がない時に必要とされていただけで、仕事ができた訳では全くありません。
半年ほど前に仕事が辛くて兄達に辞めたいと言ったことがありましたが「甘ったれるな」「兄弟とすら上手くやれない奴が他人と上手くやれる訳がない」「他の会社になんて行けないぞ」と一蹴されてしまいましたが、悔しいけれど兄達の言うことは尤もで、今の私には兄達の言葉を跳ね除けるだけの能力もありません。
それに僕ももう三十を過ぎているので職業を選ぶ自由もそんなには残っておらず、こんな無能な人間が働ける場所などもうないのではないか、運よく再就職できたとしても、また「使えない奴」認定されて、今となんら変わらない、もしくはもっと苦しい毎日を送ることになるという恐怖が拭えないのです。
闇金ウシジマくんに出てくるような、口先ばっかり達者で借金を重ねるしか能のない無能になってしまいそうなのです。
言い訳をして甘えているだけ?
ただ一方で「今の楽な環境を捨てるのが怖いから言い訳しているだけなのか?」と考えることもあります。
仕事は辛いですがそれでも給料は悪い方ではなく、今は実家にタダで住むことができているから家賃もありませんし、繁忙期を除けば残業なんかも殆どありません。
環境で言えば非常に恵まれている方ですが、仕事を辞めると実家を出なければならず、今の環境を手放さなければなりません。
それが怖くて、仕事が辛い、辞めたいと思っていながら、今の環境にしがみついているだけなのではないか、と思ってしまうのです。
あまりに仕事がしんどくて、以前世話になった友人に相談したことがあったのですが
「なんでそこまでして今の仕事に執着するのかがわかりません(苦笑)」
「eijiusudoさん、実家に甘えているだけじゃないですか? とにかく実家を出て兄弟から離れて精神安定させろとしか今は言えないですよ(苦笑)」
と、現状の僕の痛いところを思いっきり抉られてしまいました。
過去に見たこの社畜の漫画が、今になって胸に突き刺さるのです。
実際問題、僕が辞めても会社は特に困ることはないでしょうし、僕以外の人達は皆和気あいあいと仕事をしているので、むしろ僕のような粗悪品がいなくなれば会社の雰囲気はより良くなり、使えない奴に給料を払わなくてもよくなるから会社としてもいいことずくめだと思うので、辞めてしまっても問題ないような気もするのですが……。
こうして辞めたい辞めたいと頭の中で堂々巡りを繰り返しながら、明日も仕事に行くのでしょう。