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色々と終わってるアラサー男が迷走するブログ

成功者の言うことは異常者のポジショントーク

「ネットビジネスで月収○百万稼いでます!」「フリーランスエンジニアで年収○千万稼いでます!」

ネットを見ればそんな成功者がたくさんいますよね。そしてそんな人たちに「お前も俺たちと同じステージに来いよ!」と言われると、「俺もなにかしないと……」と焦ってしまいませんか?

でもちょっと待って欲しいです。その成功者の言葉、素直に乗っかってしまっていいんでしょうか?

 

成功者とはある種の異常者です

まず前提として、どんな分野においても、成功している人はある種の異常者である、と僕は考えています。

動機はどうであれ、自分が取り組む分野に対して異常なまでの熱意と行動力を持ち合わせた人。そんな人が寝る間もなく成功意外の全てを犠牲にする勢いで取り組んだ結果、成功者になることができるのでしょう。

それ自体は素晴らしいことです。30年以上生きて成し遂げたものなどなにもない僕のようなゴミクズに批判する資格などありません。ですが、普通の人間や、普通よりもスペックが低い人間が、そんな異常者の真似をして成功ができるのでしょうか?

どんな分野でも、お金を稼げるレベルに達するまでは、地味で退屈で苦痛でしかないような作業を延々と積み重ねなければなりません。意味不明なコードをひたすら覚えて臨機応変に使いこなせるようにならないといけないプログラミングなんかは分かりやすい例ではないでしょうか。

あくまでも趣味や自分の好きなことの延長として、自分のペースでできるならまだマシです。しかしお金の為、成功の為に経験したことのない分野に取り組み、プライベートや楽しいことを全て我慢して、ひたすら苦しい積み重ねをこなせる人が果たしてどれだけいるのでしょうか?

「1年間僕と同じ量の努力をすれば、その後はバラ色の人生が待っています!」 と言われても、本当に1年間、寝食を惜しんで努力できる人などそういないのではないか、と思います。

僕も以前「この教材で貴方も魅力的な男の生き様を学んで、人生逆転しましょう!」みたいな謳い文句に惹かれ、とあるコンサルの教材を買ったことがあります。最初はめちゃくちゃやる気になってその教材を勉強していました。しかし段々時間が経つと「俺とおなじことをしろ! 寝ないで努力しろ!」というような、根性論全開のマッチョッチョな内容で、自分には到底真似できない内容であったことに気づき、挫折してしまいました。

 

オンラインサロンやメルマガは自分が成功する側にいると錯覚させる

オンラインサロン、メルマガ、セミナー、noteなどなど、成功者の考えに触れられたり、教えを乞える場所は多く存在します。こうした場所は成功者の成功の秘訣に近づけたり、成功へのモチベーションを上げられるのがメリットです。「ここにいる時点で、あなたはそこら辺の怠惰な人間よりもずっと成功の近くにいます! 頑張りましょう!」みたいなことを言われれば「うおー! やってやるぞー!」みたいなやる気も湧いてくるでしょう。

ですが、これで自分が成功者側の人間だと錯覚してしまうのは危険です。実際に成功できるまでは、ひたすら苦しい道のりがあり、それを乗り越えられる保証はないからです。

最初の頃はやる気に満ちていてモチベが保ちやすいかもしれません。しかし時間が経ち、思うように成果が出なかったりすると、なまじ自分が成功者の側にいると信じてしまったせいで、余計に苦しさを感じやすくなるからです。成功して輝いている理想の自分と現実の上手く行かない自分とのギャップがより強化されてしまうからです。

こうしてモチベが落ちてくると、最初の頃は魅力的に思えていた成功者の言葉も、なんだか空虚なものに聞こえるようになります。こうしてどんどんモチベが下がって積み重ねをしなくなり、挫折してしまうのです。

もちろん地道に努力を重ねて成功できる人もいるでしょうが、10人くらいが同じサロンに入ったとして、成功できるのは2人くらい。後の8人は金も時間も無駄にして挫折してるんじゃないでしょうか。これを10回繰り返せば20人くらい成功した人を作れるので、その声を集めれば「このサロンでこんなに成功してる人がいます!」とブランディングすることができます。

穿った見方かもしれませんが、上手く行かない人生を変えたい! とモヤモヤしてる人をこうして吸い寄せ、ポジティブな言葉で自分を成功者側の人間だと錯覚させて養分にしていくのが、こうしたサロンなどのビジネスの本質なのかもしれません。

 

自分が炭治郎や煉獄さんになれるなんて思っちゃいけない

鬼滅の刃の、炭治郎や煉獄さんのカッコ良さに痺れた人は多いでしょう。しかし、だから炭治郎や煉獄さんのような人間になれるかというと、大半の人はまず無理だと思います。

炭治郎たちは身体をボロボロにして地獄のような修行を突破し、死と隣り合わせの鬼との戦いを潜り抜けています。一方で多くの名もなき鬼殺隊の隊員たちが、鬼によってゴミのように死んでいく、残酷な実態も描かれてあるのです。煉獄さんの弟の千寿郎のように、努力しても剣士としての適性がなく、道を諦めた人もいました。



f:id:eijiutsudo:20240303161933j:image出展 吾峠呼世晴 鬼滅の刃 集英社

 

現実でも、努力して成功した人の影では、努力して失敗し、消えていった人、元々のスペックが低くて努力してもダメだった人が多くいるでしょう。成功した人たちは「俺のように努力してないから」「不勉強だから」とこうした人たちを切り捨てがちです。

しかし、こうした成功者のポジショントークを信じてしまうのは危険です。自分は成功者側にいるという根拠のない自信を持っていられるあいだはまだ良いでしょう。ですが挫折して失敗すれば、こうした言葉はより深々と自分にブッ刺さり、自分を追い詰めてしまうことになるからです。

自分は炭治郎や煉獄さんのような人間になれるような人間ではないという前提で、成功者の養分にされないように心がけた方がいいのではないでしょうか。

 

まとめ 成功者の言うことなんてアテにしちゃいけない

「成功者はある種の異常者」「オンラインサロンは自分が成功者側だと錯覚させる」「自分が炭治郎や煉獄さんになれると思うな」というテーマでお話させてもらいました。

僕もこれまで自分を変えたくて様々な教材やセミナーなどにお金を払い続けてきました。しかし元々のスペックの低さや無能さ、飽きっぽさからなにをやってもうまく行かず、時間も金も無駄にする結果に終わっています。

成功者できる人というのはどこか異常さを持った人たち。僕のような凡百の無能な低スペ人間がその真似をしても上手くいくワケがないということを、最近になってようやく理解しました。

無能はキラキラした理想など抱かず、粛々と働いて金を貯めた方がいいのでしょうね。