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色々と終わってるアラサー男が迷走するブログ

発達障害は実体のない幻? 結局どうすればいいのか

 米田倫康さんの「発達障害のウソ 専門家、製薬会社、マスコミの罪を問う」を読みました。

 発達障害バブルとまで揶揄される、現代の発達障害事情の闇に切り込むかのような内容で、ADHD当事者となった僕にとっても非常にショックな内容でした……。

 

発達障害なんて病気は存在しない?

 やまゆり園事件の犯人だった男(実名は伏せられていますが植松聖のことでしょう)は事件後に四人の精神科医から診断を受けますが、診断の結果は「躁病」「大麻精神病」「妄想性障害」「抑うつ状態」とそれぞれの意思で全く異なる見解となっていました。

 発達障害精神障害を扱う精神科領域ではこうした事例がままあることからそもそも科学的な根拠がなく、絶対的、あるいは客観的に正しい診断など存在しない世界と本書では断じており、医師が下した診断もあくまでその人の意見に過ぎないとしています。

 そもそも発達障害を含む精神障害については未だに原因や発症メカニズムが解明されておらず病気とも認められていないのにも関わらず、海外から日本に発達障害という言葉が持ちこまれた際に本来は正常な状態からは外れているが病気未満」という意味合いだったものが「病気(疾患)」という誤った見解で翻訳されてそのまま定着してしまい、発達障害という概念そのものがあやふやではっきりしていないというなんともいい加減が生い立ちがありました。

 

 そんな曖昧な存在にも関わらず精神科領域の権威の根拠のない発言がマスコミによって取り上げられ、日本特有の医者信仰なども合わさって「こんな人達が言ってるんだから間違いない」と人々も盲目的に信用するようになり、いつの間にか「発達障害は脳の機能不全による病気で完治はできない」という根拠のない言説とともに出来上がってしまったのが現代日本における発達障害という実体のない幻なのでした。

 

 そして発達障害に有効とされる薬で儲けたい製薬会社と精神科医師の利害が一致して患者に対してリスクなどもろくに説明されないまま、ものによっては覚醒剤と同等の危険性まであった薬が簡単に処方されるようになってしまい、救いを求めて薬を使ったのに能力が上がる代償に副作用に苦しむようになったり、薬に依存して生活が困難になってしまったりして薬を飲む前より状況が悪化してしまうという本末転倒な状況に追い込まれてしまう人が多数生まれてしまうことになってしまいました。

 

 発達障害バブルの加速で子供に対してまで危険性の高い薬が安易に処方されるようになってしまい、子供の頃から薬漬けのような状態にされて人生を破壊されてしまう可能性も危惧されています。

 

 本書に書かれていることが全部真実とは言えませんが、こうして見ると発達障害というのは中々救いようがない、地獄のような世界に見えてしまいますね……

 

 僕は診断を受けたときも家族から薬の使用については反対されていたので最初から薬は使わない考えでいますが、自分一人では多分薬をなんの疑いもなく使っていたかもしれないので恐ろしいです……。

 

 

 この漫画の言ってることってある意味的を得てたんだなあ……

 

発達障害は結局どうすればいいのか?

 ここまで見ると、先日下されたADHDという診断さえなんだか信じられなくなってしまいそうですが、結局のところ発達障害はどうすればいいのか? というとなるようにしかならないんじゃないかなと思います。

 少なくとも今の僕は発達障害の有無に関わらず仕事が全くできない無能であるのに変わりはないので無能を改善する、自分が無能ではなくなる場所に移動するなどの努力は今後も必要になります。

発達障害だから……」と発達障害を免罪符にして逃げるようになってしまっては本当に社会から見捨てられてしまうのだろうと思います。

 

 人によっては難易度が高いですが、薬に頼らずとも改善できる方法もない訳ではありません。

 発達障害当事者として自身の症状の改善に取り組んできた来未炳吾さんのブログや電子書籍は生々しい体験談や興味深い考察が見れるので参考にしてみるといいかと思います。

 

hyogokurumi.com

 

 そしてあんまりネガティブな情報にも踊らされ過ぎないのも重要かと思います。

 発達障害を抱えた人間は35歳を越えてしまうと人生に行き詰るという俗説があり、32歳でもう行き詰ってる僕には非常に耳が痛いですが、悪い情報を全部真に受けてただ悲観視して自分の将来を投げ出すのではなく、できることをやって少しでも自分が苦しまず生きていける選択肢を作るのが大事だと思います。

 

todablog.com